日付:2020年12月7日 

 木村真悟さんへのインタビューの映像とそのテキスト化(3)です。

 

上野ストアハウスのスタッフの小形知巳さん  

 

▼  第三話   録画時間:13分06秒
 
 「コロナ以前」と「コロナ以後」と
 

 
 
● 市川敬太   あの、LINEで聴いてる人がほとんどインタビューの声が聞き取れないっていうことで。調整します、お気になさらずに……、
 
● 小 形   最初のこととか大丈夫ですか、4月の1週目でしたっけ「緊急事態宣言の発出」、
 
● 木 村   4月1週の7日だよね、
 
● 小 形   そのときどう思いました?
 
● 木 村   ぼくですか? ……当然くると思ってたからね。遅いくらいだと、政府の判断が思ってましたからね。それで単純にえらい大変なことになったなあ……、
 
● 小 形   ライブ・ハウスだったり劇場だったり、人が集まるところではもうなんにもやるなみたいな雰囲気になって、
 
● 木 村   それはぼくだけじゃなくて、小形にしろ紀子さんにしろこういう状況で芝居をするって危険なんじゃないかなって。お金のことがなかったら、小形がいちばん言ったじゃないですか、みんなにお金配るから兎も角しばらく芝居すんの止めようよって、そう思うしかないよねって言ってたじゃない。じゃ宝くじ買うかって。木村さんそれじゃ遅いよってそういう話になったわけじゃない。みんなそういう感じだったよね、なんか誰も経験の無いことが起きてるわけだから、そういう意味ではさ、震災時の放射能と同じくらいのインパクトあったと思うのね。いまこういう状況で芝居をするべきかどうかということは、ここで酔っぱらいながら毎日そういう話してたじゃん。たまたまそういう話に毎日付き合ってる崔君がそこにいてさ、(うちの劇場を)使ってる方も、今日は何人だ、何人以上出たら公演中止にするっていう状況でしたからね。たまたま知ってる何回も使ってる(うちの劇場を使用している)劇団だったんだけど、すごい誹謗中傷のメールがくると、「お前こういう状況で芝居していいのか」ってきてると……、
 
● 菅 間   「自粛警察さん」がいるんですね……、
 
● 小 形   3月の末で(自粛警察さん)出てますね。
 
● 稲 川   そういうことを言ってくるやつらって、どんなやつらなんだろうね。誹謗中傷って最低、何様よってくらい……、
 
● 木 村   『自粛警察』はね。……あの逆に、ぼくは政府を批判している人なんだけど、早く出してくれよって、誰かが言ってくれると、劇場と小屋と劇団が喧嘩しなくていいと、っていうことばかり考えてた時期だったんじゃないかと、
 
● 稲 川   小屋と劇団がね……、
 
● 木 村   ……劇団の方も悪者作りたいから、こっち(劇場側)になるじゃないですか、うちの方も、これ(陽性者が)出たらどうしよう、誰が責任とればいいんだっていう、お互いに責任回避状態になる、
 
● 稲 川   だから誰が悪いっていうか、最終的にはどこのどなたに絞られてゆくのか。あたしたちは手洗い、うがい、マスク、それしかできないんですものね。で、お買い物は3日に1回にしなさいとか、ほんとに<鬱>状態になりますよね、日常生活だけでもね。だから商売なさってる飲食店の方々とか、だから飲食店の方々と一緒ですよね、保健所に言われてることは。やるなっていわれて……、やろうにもやれなかったでしょうし、
 
● 菅 間   (公共施設)の稽古場、借りられませんでしたから、3月の状態で……、
 
● 木 村   そうなりますよね。
 
● 小 形   「緊急事態宣言」を出してもらったから、お互いありがたかったんです。
 
● 木 村   や、だと思いますよ。だからキャンセル料どうすんのかとか、小屋の負担どうすんのかとか、劇団の負担どうすんのかということは、あれ出されてからあとはわりとスムーズに、具体的に話し易くなったじゃないですか、
 
● 紀 子   劇団の方が公演をすると言ったら小屋(劇場の)側は、開けざるをえないじゃないですか。怖いから止めてとは言えない。
 
● 木 村   そういう意味では「国」っていうのはやっぱり必要なんだと思った。行政っていうのは下々の方々が喧嘩しないようにするために、なんかこう発表するというのが大事なことのように思った。
 
● 小 形   「大本営発表」を出してもらったから、お互いありがたかったんです。
 
● 全 員   (笑い)
 
● 稲 川   でも確かにあの頃はいろんなことがニュースで流れたり新聞とかで読んでも、早くこの混乱した状況へ「緊急事態宣言」早く出せよと思ってましたよ。わたし何の役にも立てないけど「緊急事態宣言(の発出に)」なに躊躇ってんのって。取り敢えずそういうかけ声かけないと、この混乱状態が納まらないんじゃねえかっていうのがありましたね。
 
● 小 形   4月に出て、じゃあいつまで出るのって話になりましたね、
 
● 稲 川   あれほんとは4月7日から5月6日までだったのかな。
 
● 小 形   ゴールデン・ウィーク明けでしたね。でもその時、みんなじっとしてれば大丈夫なんだろうなって感じでしたよね。ずるずるずるで、5月中旬くらいから納まるんじゃないかなって感じでしたよね。
 
● 紀 子   で(解除)宣言が出たの? そうだね、
 
● 小 形   6月中みなさん稽古されて、6月の28とか29日の小屋入りからはじまった、
 
● 菅 間   それで、いま小屋の状況というか、かつて盛況だった頃は全日埋まっちゃってるっていう月が毎月あっただろうって思うんですけど、いまはどうなんですか?
 
● 稲 川   減っちゃいました?
 
● 紀 子   そうですね、年内は月一本のぺースでキャンセルっていうか中止になっているので、
 
● 稲 川   で、来年は?
 
● 紀 子   来年は大変で……、4月まではいっぱいになってるんですけど、
 
● 木 村   政府の方針がグルグル変わったじゃないですか。いまもう、劇場の(座席の)間引きしなくてよくなったんです、座席数の数なんですけど。最初はね、それキャンペーンになっていたじゃないですか。ついこないだ(座席数の間引きを撤廃しちゃって)いいことになっちゃったじゃないですか、
 
● 稲 川   7月のあたまですかね、
 
● 木 村   それはもう下々に任せるということですよね。最初のあの頃よりいまの方が感染者数増えてるんですよ。実際増えてるんだけど、死人がそんなに増えていないということなんでしょうけど、もう戻していいということじゃない。だからたぶん、もう勇気をもってやるしかないんじゃないですか、やる方はね。でも状況はなんも変わったわけじゃないからね。
 
● 稲 川   だから徹底した感染拡大防止対策といわれても、どこまですれば、なにをすれば、徹底したことになるのか、よくはっきりとはわからない。手洗い、うがい、マスクだけですよね、
 
● 菅 間   だから言い方を変えれば<自分の身はご自身で守って下さい>ということだけですよね。他人がどうだってことは……、
 
● 木 村   そうそうそうそう。どう思う、来年の予想って、立たないだろう。
 
● 紀 子   立たない……、
 
● 小 形   これからまた冬が来ますからね……、
 
● 稲 川   これインフルエンザとダブルであったら、もうあたしたちは感染ったら死ぬから、
 
● 菅 間   でね、ネットで調べてみたんですよ。厚労省が8月に(全国の)一万人を対象にしてコロナのことをアンケートとるということが出てて、それ待ってたんだけどまだ結果出てないんです。で、出てないんじゃしょうがないからいろいろ探ってたら『全国の精神保健福祉センター』そこに行き当たって、コロナのことを相談しにくるんだって、電話相談で。
 どういう相談かっていうと不安で不安でしょうがない、外へ出たくなくなっちゃった、いわゆるコロナに関する不安がいっぱい寄せられてきて、情報はいっぱいあったんですけど、でも、これよく精査してみると、(この種の相談は)別にコロナじゃなくたって現在の社会に対してちょっと息苦しさをもっていたとすると、この種の相談は当然出てくる相談だよ全部、そういうのがいっぱい(混じり合って出て)んです。コロナ以前でも、ここにあがっている相談は、あるだろう。なんか生きづらくなっちゃったとか、そういうことがあるだろう。
 ぼくはだから考えたのは「土俵」って、どういうとこで話し合ったらいいのかなっていう「土俵」(です)。芝居をやる人間同士が喋る「土俵」と、ぜんぜんパイが違っててじぶん自身の心を健常に保つっていう、そういう一般論、自分たちの生活実態のなかから出てくる言葉みたいなものと、二重に複合されて出てるから、ほんとにコロナの問題がそこへ出てきてるのか、それともコロナ以前の、みんないまの現在の社会に対して思ってる(生き辛さへの)不安、不満なのか、(ぼくなんか)峻別できないんです。
 
 
 
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