日付:2020年12月7日 

  「声」を出すことからはじめてみませんか。 稽古場の風景

 

 
 稽古は、「声」を出すことからはじめてみませんか。
 「演技」とか「表現」とか、難しいことなんかいわないで。素直にじぶんの声を、じぶんで聴いてみませんか。記憶する必要なんかありません。一、二度読んでみて下さい。
 誰に聴かせるのでもなく、じぶんにゆっくり聴かせてみませんか。そこから稽古をはじめましょう……、
 
 馬鈴薯堂は、こんなことをして稽古場で遊んでいます。

 演出:菅間勇
 司会:河内拓也
 
市川敬太、菅間勇の新作を遊ぶ。 構成時間:2分26秒。
 
     

 
 
稲川実代子、自作の朗読。 朗読時間:16分16秒。
   

 <声>とはなんだろうか?

 『……僕は美空ひばりを高く評価していて、これはまあ、説明すれば、割と簡単なことなんだけど、日本の歌というか演歌の特徴っていうのは、要するに「音はみんを言葉なんだ」ってことですよね。
 例えば美空ひばりの「ひゅー」っていうような細い声は、それは<言菓>としてこちらが聴けるものだと思うんですよ。声じゃなくて、分節された言葉として聴けるものだと思うんです。これはもう、僕らの文学畑で彼女の声に匹敵するひとはいないなって思ってたくらいです。とにかく、そういう特徴があるわけです。
 ところが、この綾戸智絵(あやとちえ)さんの「アフリカ的」な声は、そういう意味での《言葉》じゃないんですよ。言語論で言えば、指示表出ではなく、自己表出ってことなんですね。何かを訴えてどうだっていうんじゃなくて、ワッと、自分の、内臓の言葉を、動きを言葉にしちゃったっていうか。これは結果として、彼女の声を聴いた人も、ワッとなっちゃいますよねえ。感嘆詞のようなものに近い言葉というか、それによく似ています。
 これは、ちょっと日本列島では出しようがねえっていうか、アジアからは出ねえよっていうものですよ。彼女が日本人じゃなかったら、あり得ることかもしれないけど、実際、こういう人がいる。』
   ★(糸井重里×吉本隆明の「悪人正機」より~ 「声」ってなんだ? 朝日出版社)より
 
 
 
  ★★★★★★★★ ☆ ★★★★★★★ ☆ ★★★★★★★★
 
 
 
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★ 2020年10月30日、舞台照明家:吉嗣敬介さんにお訊きしました(1)
 
 
★ 糸井重里×吉本隆明「悪人正機」より~ 「声」ってなんだ? 朝日出版社)
 
 
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